対談|変化していく花姿を楽しむ。産直の醍醐味とは?ユリ生産者 フラワーファームしろねの話

 

こんにちは!fanfarmディレクターの太田です。
今回お話を伺ったのは、新潟市南区の切花生産者で組織され、切花関連事業を営む フラワーファームしろね さん。

ゲストに、イラストレーターのエリ@flowereriy さんも交え、
フラワーファームしろね 代表取締役で切花生産者でもある 高野 博さん、切花販売担当 成田薫さんに、リモートで取材させていただきました。

フラワーファームしろね とは
新潟市南区で切花の栽培・出荷を行っている生産者自らが設立した会社です。
鮮度にこだわり、生花の良さを伝えるために、直販にも力を入れています。
年間を通してチューリップのほか、ユリ、アイリス、カラーの出荷・販売を行っています。

聞く人:太田 fanfarm、hanaikeディレクター。
    エリ イラストレーター。
 
話す人:高野 博
    成田 薫

すっかり定番の質問になりましたが、ユリが育つまでの過程や環境のことを教えてください。

ユリは球根から育てる花なので、一作ごとに球根を更新しその大半を主にオランダから輸入しています。

栽培環境はハウス栽培が中心で、冬場から春先の低温時期には暖房機で加温しています。ユリの生育環境に近づけて栽培を行っています。

球根をそのまま土に植えて定植する土耕栽培と、ボックス内の培地に球根を定植するボックス栽培を組合わせています。

▲定植中の風景。


▲潅水中の様子。

植え付けの時期にもよりますが、90~120日くらいで出荷できるようになります。

育てる品種は、誰が決めているのでしょうか?

生産者ごとに、これまでの経験や実績をもとに作付計画を策定しています。
私たちはその計画をとりまとめて球根を発注しています。
発注時期や入荷時期は年ごとに多少変動するのですが、去年はコロナの影響もあって2ヶ月くらい球根発注が遅れました。

それは大変でしたね・・・。
ユリを育てるときに一番気を付けていることは何でしょうか?

ユリにストレスを与えないことですね。
例えば、切ったあとにすぐに水揚げを行い、水切れを防いでいます。
ちなみに水揚げの水は収穫ごとに新しい水に入れ替えています。

▲1本ずつ採花を行います。


▲水揚げの様子です。


▲出荷時のダメージを防ぐためにスリーブ掛けを行います。


この時の温度帯や環境も大切で、常温あるいは常温より少し低い温度で最低2~3時間しっかり水揚げを行います。
ここでのポイントは、頂花(一番上の花)までしっかり水を揚げること。
その後、低温の冷蔵庫に移して保管しています。

段階的に管理を行っているということですね。

急激な温度差は、花の障害に繋がるので注意しています。
花の障害といえば、球根の発根を促進するために光を当てる工程がありますが、これも生育ステージによっては障害が出てしまうので生育のフェーズに合わせて光量や時間を調整しています。

採花で大変なことはありますか。

タイムリミットがあることですね。とにかく朝が早いんです。
早くて4時くらいから始めて、8時前には終わらせないといけない。
日が昇ってハウス内の気温が上昇する前に収穫しなければなりません。

夜だったら良いという訳でもなくて、夕方は涼しくなる5時前後から日没くらいまでがリミットです。

気温が上がるとどうなってしまうのですか?

ユリの水揚げが抑制されてしまいます。
水が揚がりきらずに、ブヨブヨのつぼみになってしまいます。

ブヨブヨのつぼみで採花すると水揚げがうまくいかず、花に障害が出てしまったり、咲かずに終わってしまったりすることもあります。

ちなみに、出荷の時にユリ独自の等級や規格はありますか?

産地や生産者によって基準は多少異なりますが、ポイントとしては、全体ボリューム、花の輪数、茎の硬さなどがあります。
今回のfanfarmから出荷する花は、1本あたり4~6輪中心の花付きのものにしています。

平均して、1本に5輪前後の花というのは、とても豪華だと思いました!順番に花が咲いていくので、長く楽しめるのも良いですね。

ここで、エリさんから質問です。
「しろねさんのユリを受け取って、2日後くらいからつぼみが開き始めて、3日後くらいに花が開ききりました。開花時期は計算されているのですか?」

その通りで、計算して切り前(採花のタイミング)を決めています。
すぐに咲きすぎても良くないし、あまりに開かなくてももどかしくなってしまう。
大体お客さまの元に届いてから2、3日後に咲くくらいが理想と思っています。

ちなみに、市場出荷の花はもっとつぼみが固い状態で出荷します。
経由地が多いほど、早いタイミングで花を切ります。
産直の場合は、つぼみの状態で届けられ徐々に開花する様子の変化、鮮度が良く花を長く楽しめるというのは、産直のメリットのひとつと言えますね。

ユリを飾るときに、生産者目線で気を付けてもらいたいことはありますか?

花粉は粉をふく前に取り除いてもらった方が良いと思います。
花が少し開いてきたくらいのタイミングだったら、簡単に手で取れますよ。



ユリの花粉、服に付くと落ちないんですよね・・・。
エリさんからの確認で「葉っぱはどのくらい取るのが良いですか?」と。

花瓶の中はすっきり目に取り除いたほうが、良いですね。
水につかる部分の葉っぱは全て取ります。

花の横についている葉っぱは、つけたままで良いですよ。
花屋さんやお店に並ぶものは、外しているものも偶にありますが・・・。
個人的には、ユリ本来の花姿だと思うので、この部分はそのまま飾ることをオススメしています。

ユリを通じて伝えたいことを教えてください。

何といっても、生の花のエネルギー感ですね。
生花はやっぱり良いもので、飾っていただくとつぼみから青みが抜けて白やピンクの色味を帯びていく変化を見ていただけると思います。
切り花とはいえ生きているということ、変化していく楽しさを感じていただけたら嬉しいです。

これからチャレンジしていきたいことはありますか。

新しい品種へのチャレンジはこれからもしていきたいです。
ユリでは、最近八重咲きのものが人気で、気になっています。

八重咲きのユリ、私も大好きです!楽しみにしています。

おわりに

オリエンタルユリはポピュラーな花で、花屋さんの店頭をはじめ様々な場所で手に取ることができますが、産直ならではの贅沢なコンディションを教えていただきました。
ユリだけのシンプルな花いけは、まるでホテルのディスプレイ!
エレガントで非日常な空間を楽しんでいただけると思います。
気温が上がっても飾りやすい花なので、これからの季節にもおすすめです。

フラワーファームしろねさんの主力アイテムは、ユリの他に「チューリップ」があります。
少し先の季節にはなりますが、順次ご紹介していけたらと思っています。

 

フラワーファームしろねのページをみる→

コメントを残す

コメントは表示される前に承認される必要があります。